ストーリー2話「マラソン雑感」

ハーフマラソンで2時間切りを目標にしていた中年女性が、

先日の大会で1時間50分というタイムで見事に自己ベストを更新しました!

 

 

日々ご指導しているお客様がこのような自身で掲げた目標を達成すると、私たち指導者も自分のことのように嬉しいものです。

 

指導者にしか分からない特権です。...

 

 

2時間切りの目標がなんと10分も短縮され、こうなると50分切りという新たな目標を立てざるを得ません。
人間欲が出ますが、50分切りまでは22秒ばかりだったのですから。

 

 

そして、レース翌日にいただいたコメントには、

「あるのは筋肉疲労程度です!」

とどこの痛みもありません。

 

 

多くの人が自己ベストを出したのだから、大変なレースで少し位の代償は仕方がないと考えられるかもしれません。
けれどもアスリートが世界記録や自己ベストを出すときって、意外と楽にフィニッシュするんですよね。

 

 


マラソン世界記録保持者のデニス・キメット(ケニア)選手は2014年のベルリンで2時間2分57秒というとてつもない記録を出しましたが、ゴールは目一杯ギリギリ倒れこむようにゴールしたでしょうか。

 

 

いやいやとても気持ち良さそうにフィニッシュテープを切ったのを覚えています。
(世界記録か...また余力があるように見えるな)

 

その時の感想です。

 

自己の最高のパフォーマンスをした時って、そのようなイメージの場面がホントに多いのです。

 

普通は、
(もっと記録出せたんじゃないか)と思うかもしれませんが、力に余力があるからこそ最高のスピードで走れたのです。
日本人は歯を食い縛って辛そうな表情の選手を見ると「頑張って!」と応援する気持ちが強くなります。

 

 

これはこれで日本の風潮であり、文化でもありますから否定しませんが、目一杯な時にはすでに最高のパフォーマンスはできていないのです。
マラソンだったら、記録を出すスピードで走っていません。

 

 

体力が一杯だから、それ以上頑張れないのです。
余力があるからこそ最高のスピードで走り続けることができる。
まさに準備が上手く行ったケースです。

 

もちろんレースペースなどの戦略的な部分も大事ですが、頑張ることがどのように作用しているか、そのような視点でスポーツを観るのも面白いです。